きっかけは、当団体の会員事業者さんたちとの会話。「魚は獲れているけど、売り先が減ってしまい加工品に回さざるを得ない」「デパートやギャラリーが休業してしまい、売り場や発表の場がなくなった」、と生産者さんや富山の伝統産業の職人・工芸作家さんの話を聞き、何かできることはないかと、富山の作り手の産品をネットを通じて販売することを決めました。観光事業者である当団体もツアーなどが全てキャンセルになっていた事情も背景にあります。
天然の生簀と言われる富山湾の美味しい魚を急速冷凍の技術で鮮度を保った松本魚問屋(氷見市)の「天然ぶりしゃぶ」や「たらの一夜干し」、ジュンブレンドファームのこしひかり米(高岡市)、シマタニ昇龍工房(高岡市)の「すずがみ」、韓国出身の陶芸家、金 京徳(キムキョントク)さん(南砺市)のお皿や一輪挿しなど31点からスタートしました。
ストアの大きな特徴は、商品の食材や器を使ったレシピ、盛り付け例を動画で紹介している点。フランスの星付きレストランで副料理長を務め、現在は松本魚問屋の加工商品開発とプレイベートレストランのシェフを務める山下 貴民(よしひと)さんが「たらの一夜干しのクラムチャウダー」「氷見鰯(いわし)アンチョビの春野菜サラダ」など、家庭でできるお料理の作り方を解説してくれます。」
近江商人の経営哲学を表した「三方よし」に、「作り手」と「未来」を加えて「五方よし」。新型コロナウイルスの影響で、私たちの社会が大きく変わろうとしている中、売り先や展覧会がなくなった地元の職人さんや作家さん、生産者さんのものを販売し(作り手よし)、それらが外出を制限されている人たちの家での暮らしを豊かにし(買い手よし)、経済が廻り(世間よし)、私たちも事業を継続でき(売り手よし)、そして手わざや文化が未来につながる(未来よし)。ポスト資本主義の世界がそうなることも願いながら、まずは小さな一歩を踏み出しました。
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