近年、FacebookやInstagramなどに代表されるSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)の普及に伴い、自治体においても効果的な情報発信のツールとしての利用が定着しています。SNSの拡散性、即時性を活かすことで市政情報や観光情報、災害時の緊急情報などを効率的、効果的に発信することができるのですが、自治体による運営は一方通行の発信が多く、工夫する必要がありました。
三好市ではInstagramの企画・運営を、業務上の担当者だけではなく、普段からカメラを持ち歩き、撮影をしている市役所のカメラ部メンバーが行っています。視覚的に訴えるInstagramにおいてエンゲージメントに繋げるためには、文章内容よりも視覚的に魅力的な写真が必要です。
また、市民や観光客から三好市内で撮影された写真を募集して紹介する企画、「#MiyoshiFinder」(ハッシュタグ・みよしファインダー)は、イベントの様子やスナップ写真、ポートレートなど、数多くの投稿が寄せられています。
市民や観光客、関係する一人ひとりが、いつの間にか三好市のプロモーションに巻き込まれており、三好市への来訪・撮影・投稿・発信の促進作業がオートメーション化されています。
各自治体が関係人口の増加を狙う今日、三好市でも新しいプロモーションのポスターを作成することとなりましたが、そこで目をつけたのが「#MiyoshiFinder」の活用でした。
これまで三好市が対外的に行うプロモーションでは市が主催するフォトコンテストの入選作品を使用しており、そこには素晴らしい風景写真がたくさんありますが、逆に言うと風景写真しかありませんでした。見た人が、行ってみたい、写真を撮ってみたい、体験してみたいと思っていただくために、Instagramの活用が欠かせないと考えました。「関心をつかみ・あたため・促す」関係人口創出型のシティプロモーションです。
さらに三好市は、Instagramなどで四国の魅力を発信している「四国カメラ部」に協力を求めました。
四国カメラ部は、四国4県に約70人のメンバーが参加。それぞれが写真を通じて、自然豊かな四国の魅力・伝統文化を発信しているアマチュアカメラマンのグループです。その四国カメラ部メンバーが撮った三好市内の写真を提供していただくことで、質の高い魅力的な写真が集まりました。
また、風景写真だけではなく、人物が入ったポートレートや、旅の瞬間をとらえたスナップ写真なども集まり、三好市にとってこれまでになかったイメージのポスターができあがりました。完成したポスターは四国4県の主要な観光施設などに配布され、四国カメラ部のPRも同時に行うことで、四国全体の魅力発信にも寄与しています。