絶景だけではなかった残波岬
残波岬は30mの断崖絶壁が2㎞にもおよぶ海岸で、沖縄本島で夕日が最後に沈む場所と言われています。釣りやサーフィンの人気スポットでもあるようです。
太陽の光の加減で海の色が変化します
沖縄にはいろいろなところに猫がいます。暖かくて居心地がいいんでしょうか。
とても人懐っこく、近寄ってきたり、後を追ってきたりもします。
そんな残波岬は大きな公園(残波岬公園)になっており、歩いているとこんなものまで見ることができました。
琉球王国時代、初めて進貢使(しんこうし・・・明・清皇帝への貢ぎ物を届けるための使者)のリーダーに選ばれ、中国に渡った「泰期(たいき)」の銅像です。
王国の大貿易時代を形作ったともいわれている人物で、今では「商売の神様」ともいわれているそうです。
当然のごとく、指差す方角には中国(当時の明・清)があります。
高さ8.75m・長さ7.8m 世界最大のシーサー
この巨大シーサーは「残波大獅子」といいます。このシーサーが向いている方角、そう、やはり中国を向いています。
この海岸を見たとき、沖縄戦(第二次世界大戦末期・沖縄での地上戦)の映像で見たことのある海岸と、重なって見えました。
あとで調べてみると、読谷村の海岸は、軍隊が上陸した場所でもありました。
沖縄に15年以上前に初めて来た時、米軍基地が本当に広い面積であることに驚いたのを覚えています。複雑な感情を持ちながらも、アメリカ文化を消化して、自分たちの文化として取り込んでいる。この事に、とても大きな魅力を感じたのを覚えています。沖縄の歴史を知れば知るほど、沖縄がオリジナリティにあふれた場所だというのも、至極当然だと感じてきます。
古くて新しい映画館
この劇場は、沖縄の母(義母)から「すごくいいところよ。とってもいい映画たくさんやってるから行ってみて」と熱を込めて勧められたところです。
1952年に開業した芝居小屋「珊瑚(さんご)座」という場所が、翌年映画館に姿を変え、「桜坂琉映館」「桜坂シネコン琉映」という名称を経て、現在の劇場名になっています。イベントやライブも行っているそうです。
3つのホールで多くの映画が楽しめます
今では数少ない、小規模で古く、少しさびれた映画館(個人的には大好きですが)と思いきや、ただ歴史があるというだけではなく、こじんまりとした空間の中に「いまでも全然現役ですけど」と言わんばかりの活気を感じました。
やちむんとは沖縄風の発音で、焼き物(=陶器)のことです
そんな活気を感じたひとつ。いろいろな器(やちむん)や雑貨があり、見るもよし、買うもよし。お客さんと作り手と沖縄文化への想いが伝わってきます。
新旧混在、おもしろそうな本が沢山あります。
2階への階段途中にも「やちむん」や「琉球ガラス」が並んでいます。
沖縄の書店には必ずといっていいほど「沖縄の本コーナー」があります。
自分たちの住む場所の歴史や人にすごく興味がある、ということなのでしょうか?もちろん観光者へ向けたコーナーという意味合いはあると思いますが。
なんと館内にカフェまでありました。オープンテラスも使えたり、現代のカジュアルなカフェと、昭和の純喫茶の雰囲気が融合したようなカフェでした。
「さんご座キッチン」という名前で、開業当初の名称「珊瑚座」からとったのでしょう。テイクアウト用の小窓がとてもいい感じです。
正面右手にあるテイクアウト用の小窓
何度かリニューアルを行っているそうですが、時代の流れの中で柔軟に変化できる、過去をいったん捨てるというのは、言葉以上に難しいことだと思います。
生き物のように変化を続けるこんな映画館とは出会ったことがありませんでした。次に行ったときの「新しさ」はどの様なものか、とても楽しみです。
映画にでてきそうなカフェバス
さて、今回も最後におすすめの飲食店をご紹介したいと思います。
残波岬灯台の近くにある「金城パーラー」というお店です。いかにも映画にでてきそうな雰囲気のあるお店です。
メニューが豊富で、外にテーブルとイスもあります。
明るい女性店主が笑顔で迎えてくれると思うので、残波岬へ行かれる際は是非お立ち寄りください。
それではまた、次回にお会いしましょう。