【東海道五十三次ふらっと-flat-完歩】Vol.53 大津~三条大橋 後編 そしてゴールの三条大橋へ!涙の完結編!

『東海道五十三次ふらっと-flat-完歩』とは…
ふとしたきっかけで東海道を歩き、その魅力に目覚めた筆者が、旧東海道に沿って、五十三次、約500㎞をテキトーに歩き、永い歳月をかけてついに完歩してしまった感動巨編!(ただし全米は泣かない)。

時間がある時にぶらっと出かけて、気の向くままに歩くシステム。よって歩く順番もランダム。名所旧跡を語るより、街道沿いの人々や風俗(変な意味ではない・・・と思う)、B級スポットなどを、ときどき妄想も入れつつ紹介し、いつか現代の十返舎一九と呼ばれたい。

いよいよ東海道ふらっと完歩涙のゴール!テキトーに細切れに、都合2年間かけて京都三条大橋に到着しました。始めた頃は本当に完歩するか半信半疑だったけど、こうしてコンプリートできたってことは、それだけ旧東海道が魅力的だったんだなと思います。日本人なら一度は東海道ふらっと完歩、やるべきだと思います(笑)

蹴上の都ホテルとインクライン

京都三条大橋に向かう最後の山越えは、日ノ岡峠と呼ばれていますが、最初に急な勾配が少し続くだけで、あとはなだらか。細い旧道をしばらく歩くと、三条通に合流する手前に立派な古民家風の建物が。

ここは栄花山荘と言って、築150年の古民家を改修した庭・裏山付シェアハウス兼イベントスペースなのだそうですよ。

そのまま三条通に合流すると、九条山の上りが続きます。

山頂近くにあった、なんかすごい豪邸?2階部分をぐるっと取り囲む回廊みたいなのがいい感じですね。

このあたりもかつては京阪電車が走ってたようですが、今は地下鉄東西線に変わっちゃってるようです。この峠を電車が通ってたら迫力あったでしょうけどね。

そして、とうとう三条大橋の文字を発見!いよいよゴールが現実的になってきますね。

九条山の坂道を下り終えると「蹴上(けあげ)」の交差点。蹴上とはかなり変わった名前で、その由来は源義経由来だとか、粟田口刑場由来だとか諸説あるようですが、僕にとってわりとなじみの地名なんですね。

その理由は、これ。

この、ザ・ウェスティン都ホテルが、この蹴上の交差点前にあるからなのです。ミヤコホテルの時から、なぜかこのホテルでイベントをする機会が多く、ここには結構な回数来てるような気がするんですが、仕事モードなので全然周辺散歩もしてなかったんですよね。

その証拠に、ホテルの目の前にこんなレンガ造りのトンネルがあったことに初めて気づきました。

このトンネルの先をしばらく行けば南禅寺方面に続くはずなのですが、今日はそこまで行く時間はなさそうです。というのは、なんとなくお昼の12時にゴールしたかったからです(単なる気分)。

そんなわけで南禅寺方面ではなく、山の上のほうにちょっと歩いてみます。歩いてきた道を振り返ると、これ。

これは蹴上のインクラインと呼ばれる全長582mの世界最長の傾斜鉄道の跡。さっきのレンガのトンネルの上を、このレールが走っていたのです。

大津から京都を経由して宇治まで続いていた琵琶湖疏水は舟運でも利用されていましたが、落差の大きい場所は船が運行できないので、こんなふうに台車に船を載せてレールで運ぶために作られたのがこのインクライン。

もちろん今はもうインクラインは運行されていませんが、その線路や台車、運搬船が産業遺産として残されていました。桜の季節は素晴らしい景色みたいです。その時にまた来てみたいですね。

このインクラインの頂上あたりから蹴上の浄水場がよく見えます。

ここはつつじで名高いところですね。

花がなくてももこもこしてなかなかの眺めですが、春はもっとすごいんでしょうね。

そして感動の三条大橋

蹴上から三条大橋方面に向かうと、にわかにザ・京都、という感じになります。

右手に平安神宮の大鳥居。

町家風の路地。

そして三条白川橋。

予報では朝から雨模様だったわりには、ここまで降られていなかったのですが、ゴール直前になってぱらぱらとまばらな雨が降りだしてきます。晴れ男も涙雨と女の涙にはかなわないんですね。

そして、ゴールは意外とあっさり。

京阪三条の駅が見えてくると、その先に三条大橋の看板が。

普段となにひとつ変わらない、午後0時01分の三条大橋の姿がそこにありました。

僕が旧東海道五十三次、500㎞を完歩しただなんて、誰も思ってないでしょう。

一応小さく指でガッツポーズしてみますが、涙は雨が代わりに流してくれているので出てきません。

三条大橋には、東海道五十三次、ゴォォォォォォォォール的な大々的な看板とか何かがあるのかと思っていましたが、意外にそういうものはなく、この弥次さん喜多さんの銅像がそれなんでしょうね。

歌川広重 東海道五十三次 京師 │ 遂に東海道の最終地点へ。鴨川にかかる三条大橋の伸びやかな曲線と背景の比叡山おおらかな姿が印象的。当時の人々もここでガッツポーズ!はしなかったでしょうが…笑 東海道を踏破した晴れやかな気持ちと重なる一枚です。お疲れ様でした!

むしろこの「駅伝発祥の地」のモニュメントの方が目立ってる感じでした。

写真を撮ってしまうとほかにやることもないので、そのまま三条大橋を渡り、河原町方面に向かいます。

ちょうどお昼の時間だし、たまたま気を許せる知人の女子が、うちの会社の京都支店に来ていたので、四条まで行ってゴールのお祝いに焼肉でもおごってもらうことにします。

これでとうとう

「あ、次の3連休ヒマだなー、どこ行こうかな」とか、

「青春18きっぷで九州まで行くのに、途中でちょっと気分転換に観光できねーかなー」とか、

「東海道歩くついでに甲子園見に行っちゃうか!」とか、

テキトーな旅ができなくなるのは寂しくなります。

次はどうしようかな。東海道終わったら、中山道でしょ?って言われるけど、そんなに単純な感じでもないかなあ。

少し充電期間をおいて、また考えます。バンド解散直後のロックスターみたいだけど・・・(笑)

『東海道ふらっと完歩』 まとめ

ちょうどとある漫画家の東海道放浪本に触発されていたときに、台風での旅行日程の変更が生じたため、たまたま滞在していた静岡で歩き始めたことがきっかけで、旧東海道に沿って五十三次、約500㎞をテキトーに、しかし完歩しようという試み。

時間がある時にふらっと出かけて、気の向くままに歩くシステム。歩く順番もランダム。しかし結果は意外と早く、約2年半で完歩。

名所旧跡を語るより、街道沿いの人々や風俗(変な意味のも、一部含んでしまった・・・)、B級スポットなどを、ときどき妄想なんかを入れながら紹介するつもりだったが、かなり妄想も多い滑稽本になったと思う。

あまたある東海道五十三次ガイドの中でも「最もテキトーな東海道散策記」としていつか出版して、現代の十返舎一九と呼ばれたい。

今日の結果:大津宿~京都・三条大橋 11.8kmを制覇!
現在の合計 495.5㎞/495.5㎞
東海道ふらっと完歩達成! 

<2017年12月26日/このシリーズ完 お疲れさまでした!>
最新の情報は公式サイト等でご確認ください。

< 【東海道五十三次ふらっと-flat-完歩】Vol.52 大津~三条大橋 前編 いよいよゴールへカウントダウン&哀れな蝉丸

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