アンド・ステディ リボーン
年頭に「着物・帯スニーカー」をプレスリリースしたところ、たくさんのメディアに取り上げていただき、お問い合わせをいただくようになりました。それは、「祖母から譲り受けた着物で仕立てていただけますか?」「妻の形見の帯で作って欲しいのですが」という、ご自身がお持ちの着物・帯をリメイクしたいという内容で、想いのこもった着物・帯は大変素晴らしい価値ある伝統工芸品でもありますが、忙しい現代ではなかなか着る機会もなく、日々の生活に寄り添える何かに形を変えたいというご要望があったのです。
「伝統をリメイクし、無理なく、身近に伝統工芸品のある暮らしを作りたい」という想いからスタートした着物・帯スニーカーは、これまでも、価値ある素材に職人の手を加え、現代で活用できるスニーカーにリメイクしてきましたが、あくまでも私どもが着物・帯を入手していました。私の母の着物をほどくことからスタートした本事業も、すでに手元に着物はなくなり、ご注文の際に仕入れをしてきました。
そこでお客さまたちが復活させたいと願う大切なお着物や帯をお預かりし、1枚の生地に仕上げる解き(ほどき)やプレス、裏張りから請け負い、靴職人の手釣りによるスニーカーをお仕立てし、お届けすることにしました。
これまでの「リメイク」から一歩進めて、原型にこだわらず、より自由度の高いあらゆるリメイクを想定し、お着物と帯に新たな命を吹き込む「リボーン」としました。
帯ビフォーアフター
日本文化と「Re(リ)」ボーンの社会的意義
着物と帯に使われる正絹は、もともと強度が高く、弾性もあり、体の土台である足をサポートする靴に向いた素材です。そして、何度も解いて、手ぬぐいにしたり、おむつにしたり、鼻緒にしたり、形を変えて使い続けるという着物文化が日本には土壌としてあります。
まさに今、価値観の大転換が進む中、大量生産・大量消費の時代から、良いものに手を加えて、長く大切に使い続けるという価値観への揺り戻しが起こりかけています。「Re(リ)」ユース、「Re(リ)」メイク、「Re(リ)」ボーンという文化は決して新しいものではなく、自然との共生を当たり前に捉えてきた、日本の古来からある「もったいない」精神のことであり、まさにサスティナブル、SDGsそのものだと考えます。
日本文化を次世代に繋ぐためにも、タンスに眠る伝統工芸品を現代の職人の手で蘇らせるリボーンは、極めて本質的で、とてもクールで、今後、21世紀のアパレルの形になっていくに違いありません。
伝統的な革靴の製法でスニーカーに生まれ変わる
このスニーカーはいわゆる“手釣り”と呼ばれる、高級靴の製法で作られているため、踵にはその証拠となる穴が存在します。つまり、「スニーカーという名の革靴」なのです。浅草の本社ファクトリーの靴職人が1足1足、手仕事を施しお仕立てしています。
特注としてお仕立てするオーダーメイドのため、サイズだけでなく、「普通」と「太い」の2ワイズから木型を選べるため、その歩きやすさは明らかで履き心地のよさから、この3年半で6,000足以上のオーダー受注をいただく大人気商品に育ちました。人生100年時代、自分の足で歩き続けるためにきちんと足の機能を発揮させてくれるスニーカーです。
その安定感あるフォーマットに、あなたの受け継がれた大切な着物・帯を載せてお仕立てします。正絹に強度があるとは言っても、やはり革には敵いません。補強のためにも6色の革から選び、着物・帯とのコンビネーションを決めていただきます。
手釣り靴の目打ち穴
<選べる6カラー>
・優雅で絢爛なゴールド(GD)
・上品さを醸し出すシルバー(SV)
・神秘的な中に強さもあるブラック(BK)
・知性的でクールな印象のネイビー(NV)
・情熱的で愛情深いレッド(RD)
・高貴と可憐なイメージのパープル(PP)
デザイン(紐、ベルクロ)、ソール(黒、白)、木型(21.5~27.5cm、普通/細め)を、オンラインからオーダーいただきまして、素材加工、スニーカーへのお仕立てを経て、2ヶ月ほどでお届けとなります。価格は46,000円(21.5~25.5cm)~、リボーン価格(ほどき・プレス・裏貼り・送料)10,000円が含まれています。同時に何足かお仕立ていただければ1足当たりの価格は割安になっていきますので、お母さまと娘さんに、娘さんお二人にと、お揃いであつらえることもおすすめしています。柄ゆきによって作れる足数は異なりますので、ご相談の上、進めさせていただきます。
美しい見た目に機能性を兼ね備えたスニーカーは、履いて楽しむだけでなく海外の方々のお土産品としても大変人気があるものです。
また、浅草の本社ファクトリーでは、靴職人の手仕事を見学することも可能ですので、ぜひお問い合わせください。
有限会社アクスト
浅草で60年続く靴材料メーカーから発展。本社ファクトリーでは靴職人の伝統を受け継ぎ、素材の研究開発を重ねる一方で、日本橋人形町で運営する「くつ・あし・あるく研究所&Steady|アンド・ステディ」では、足に悩む女性たちにカウンセリングやオーダーメイド靴、ウォーキングレッスンなどを提供。全身を整えるツールとして靴を活用するというこれまでになかった業態で靴ジプシーの女性に寄り添っている。パートナー店舗は全国11店舗。
>&Steady(アンド・ステディ)