神奈川県

伝統

観光

文化

【東海道五十三次ふらっと-flat-完歩】Vol8.保土ヶ谷宿~戸塚宿~藤沢宿 保土ヶ谷球場とか権太坂とか

『東海道五十三次ふらっと-flat-完歩』とは…
ふとしたきっかけで東海道を歩き、その魅力に目覚めた筆者が、旧東海道に沿って、五十三次、約500㎞をテキトーに歩き、永い歳月をかけてついに完歩してしまった感動巨編!(ただし全米は泣かない)。

時間がある時にぶらっと出かけて、気の向くままに歩くシステム。よって歩く順番もランダム。名所旧跡を語るより、街道沿いの人々や風俗(変な意味ではない・・・と思う)、B級スポットなどを、ときどき妄想も入れつつ紹介し、いつか現代の十返舎一九と呼ばれたい。

この日は保土ヶ谷宿からスタート!するつもりが、なんだか高校野球やってるらしいぞ、しかも大会屈指の好カードらしいぞ!ということで朝から寄り道しちゃいましたが、なんとか藤沢までたどり着いた1日。

ドカベンの聖地、保土ヶ谷球場で高校野球観戦

午前9時40分、前回からの続きで保土ヶ谷駅に降り立つと、バス停に何やら人、人、人。
しかも、女子高生やら、学生服やら、坊主頭もたくさん。

ん?なんだ?
・・・待てよ、保土ヶ谷と言えば、あの「ドカベン」の明訓高校が数々の熱戦を繰り広げた高校野球の聖地じゃないか!
岩鬼の悪球打ちとか殿馬の秘打「白鳥の湖」とか見てみたいぞ!!!
ということでネットで調べてみると、秋の高校野球神奈川県大会、横浜高校対慶応高校という好カードが、まさにこれから行われるところでした。

そんなわけで東海道散歩は午後からにすることとして、さっそくバスに乗って観戦に行ってみました。

いやね、高校野球、好きなんですよ。
そもそも僕が東海道をふらっと歩きはじめたのは、高校野球(甲子園)がきっかけだったんですよ。詳しくはまた後日お話しすることにしますが。

天気もよくて絶好の高校野球日和。
保土ヶ谷球場は、ネーミングライツで当時は「神奈川新聞スタジアム(現在はサーティーフォー保土ヶ谷球場)」になっています。
試合の方は予想外の展開でしたが、なんと慶応がコールドで横浜に大勝しました。

つよっ。

土の舞い上がるグラウンドで、バックスクリーン裏の電光掲示板もなんとなく甲子園っぽくって、いい球場。ドカベンの聖地だったのもわかります。

さて、午後から仕切り直しで、保土ヶ谷駅から東海道テキトー散歩、再スタートです。
保土ヶ谷駅から東海道線の線路を越えて、国道1号をしばらく歩いた後、旧東海道に入ると、やがて権太坂が現れます。

権太坂は箱根駅伝の往路2区の難所として有名ですが、駅伝が通るのは国道1号の権太坂で、旧東海道の方ではありません。ただし、こっちが本家本物の権太坂で勾配もキツイです。

坂の途中で東名高速をまたぎ、遠く横浜市街のランドマークタワーを望みながら旧東海道の細い道を結構登ると、頂上付近に権太坂の道標がありました。

権太坂を越えて戸塚、藤沢へ

権太坂を上り終わるとそこは「境木(さかいぎ)」。
かつての武蔵国と相模国の「境」であり、北斎の「富嶽三十六景」にも「保土ヶ谷 境木」として描かれている富士山展望の名所でした。

葛飾北斎 富嶽三十六景 東海道程ケ谷 境木 │ 富士山を眺めながら東海道を歩く人々が、北斎独特の躍動感によって描かれています。モネの名作「ポプラの並木」に影響を与えた事でも有名です。

ここから先は「焼餅坂」を下ります。「やきもち」と言っても僕がヤングだったころ、かつて大いに被害を受けた「ジェラシー」とか「嫉妬」のそれではありません。このあたりは江戸時代、茶屋が多く大変賑い、焼餅が名物であったことからそう名づけられたと言います。

ご、誤解だよ!お、俺を信じてくれよ!

ちなみに「権太坂」の由来は、旅人がきつい坂を上り終えて休憩した際、近くにいた耳の遠い老人に坂の名前を尋ねたところ、自分の名前を聞かれたと思った老人が「権太」と答えたから、という説もあるそうです。ホンマかいな!(諸説あり)

やや下りながら、細い風情のある道が続き、品濃坂上あたりから東戸塚のマンション群が望めます。

旧東海道の戸塚宿エリアに入ると、戸塚駅の近くではこんなマンホールを発見しました。

ちなみにこれ、安藤広重の「東海道五十三次之内 戸塚 元町別道」を背景に、箱根駅伝のランナーを重ねたオリジナルデザインなんだそうです。なかなかしゃれおつですな。

安藤広重 東海道五拾三次 戸塚 元町別道 │ こちらが背景の広重作品。橋のたもとの石柱には「左かまくら道」と記されています。

やがて藤沢市に入ると、とうとうこんな看板が現れました。

「江の島」、という文字を見て、初めて「結構遠くまで来たんだなあ」という気になりました。

浄土宗の宗派である時宗の総本山、遊行寺横の長い坂を下り、藤澤橋を渡ると今日の目的地、藤沢駅に到着しました。

初っ端から寄り道して午前いっぱい高校野球見ちゃったもんで、最後はかなり急ぎ足になっちゃいましたね。

今回の結果:保土ヶ谷宿~藤沢宿 16.7kmを制覇! 
実際の歩行距離は寄り道入れて20.33km、所要時間4時間42分、消費カロリー1.125cal
東海道ふらっと完歩まで:現在の合計 49.1㎞/495.5km

Vol 9.へ続く
< Vol7.神奈川宿~保土ヶ谷宿 横浜マダムと袖振り合うも多生の縁

新着

新着

注目の記事

東京都

飲食店

食べ物

【ホテル ヴィラフォンテーヌ グランド 東京有明】グランドエール presents ハロウィン 賢者の晩餐会 開催

2023年9月1日(金)より10月31日(火)までの期間、ホテル内レストラン「オールデイダイニング グランドエール」にて、秋の収穫を祝う祭典“ハロウィン”をイメージしたブッフェ「グランドエール presents ハロウィン 賢者の晩餐会」を開催します。

長野県

観光

【星のや軽井沢】秋の寒暖差に負けない、心と体の健幸を取り戻す滞在プラン

「星のや軽井沢」では、2023年9月1日~11月30日の期間限定で「軽井沢 錦秋の健幸滞在」を実施します。機織り体験の前に庭師と共に敷地内を巡り、秋の自然が織りなす色の豊かさを知る体験「谷の秋色巡り」を新たに提供します。心の感度を高めながら心身を調え、季節の変化に対応する力を養うことができます。

東京都

芸術

【Shinwa Auction】丸ビルホールにて特別オークション開催。秀吉の逸話残る金茶道具一式が3億4500万円で落札。草間彌生「かぼちゃ」など注目作品が多数出品される。

Shinwa Auction株式会社(代表:倉田洋一郎)は5月27日(土)、東京・丸の内、丸ビルホールにて特別オークションを開催した。本オークションでは国内外のコンテンポラリーアートから若手作家による現代アート、日本画まで幅広く出品された。

オークションの目玉は伯爵藤堂高紹(とうどうたかつぐ)旧蔵、《金茶道具一式》。事前にTVメディアで取り上げられるなど注目を集めたが、 落札価格(落札手数料のみ含む)3億4500万円で落札されるなど盛り上がりを見せた。

ピックアップ

ピックアップ