いきなりお猿さんチーム登場
11月21日、翌日からの3連休を控えた金曜日。
天気予報もおおむね良好であることを確認して、東海道ふらっと完歩の最初の難所、箱根越えをこのタイミングで決行することにしました。
過酷な峠越えには、暑すぎず、寒すぎず、ちょうどいい気候で、紅葉も見頃。
連休で観光客が箱根に押し寄せる前に箱根に入ってしまい、連休入りと同時に人の流れと反対に箱根を出て、できればそのまま連休を利用して静岡方面も少しまとめて歩いてしまい、最後に1日ゆっくり休んでからまた仕事に戻ろう、という魂胆です。
出発は・・・・・一応箱根気分、ってことでロマンスカーに乗ってみました。
小田原で箱根登山電車に乗り換えて、今回のスタート地点「風祭駅」に着いたのは11時半ちょっと前。
まあ、今日は芦ノ湖に宿も取ってあるし、夕方までに13,4キロ歩くだけだから余裕だろう、と思っていました。
結論からすると、そんな余裕は全くなかったのですが。。。
風祭駅のすぐ北側を通る旧道沿いに、ゆるやかな坂を鼻歌交じりに歩きます。
風祭駅の標高36m、今日の箱根越えの最高地点の標高は820mくらいでしょうから、約800mの高低差を上るわけです。ずっとこんな感じであるわけがありませんので、まあ準備運動ですね。
入生田の駅の手前で箱根登山鉄道の踏切を渡ります。連休前日なので、平日ではありますがいつもより観光客は多そうでした。
箱根湯本駅手前で旧東海道は左に折れて、三枚橋を渡ります。
いよいよ、ここからが箱根越えの本番です。
ちょうど正午のサイレンが鳴り響きました。
さあ、果たして、タスキは、つながるのか!!!
箱根町役場を右にみながらゆるやかにカーブをすると、いきなり勾配がきつくなります。
吐く息は白いのですが、もう半袖でもいいくらいにカラダが火照ってきます。とうとう来たな、箱根め。
箱根湯本温泉の旅館が立ち並び始め、道路脇の側溝から湯気が立って、軽く硫黄のにおいがたちこめています。
と、突然、電柱の上になにやら哲学的な思索をしている風な輩が。
なにか重大な真理を突き止めたのか、次の瞬間、彼は猛然と移動を始めます。
もちろんここは旭山動物園ではありません。
と思ったら、子供まで出てきちゃったりして。
まあ、山奥の温泉に入りにくるサルは知ってますが、こんなに民家の近いところで哲学&旭山動物園ごっこをしているサルを見たのは初めてです。来たな、箱根め。
女殺し、もとい、女転しの坂
金曜の夜、仕事終わりに観光バスやらロマンスカーやらでぶらっとやって来て、ただ飲んで食ってゲ○をはくだけのような、極めて20世紀的な大宴会を今まで何度もやったことのある、箱根湯本の旅館群が見えてきます。
ただ、こうやってはるばる歩いてやってきてみると、すごく神聖な場所にあるように思えてくるから不思議です。
やがて谷間が少し開けて、ホテルはつはなの横を通り、須雲川の集落を過ぎて大きく左右にカーブすると「おんなころしの坂」が登場します。
おんなころしは「女転し」と書きます。「女殺し」ではありません。「女ごろし」とか僕も言われてみたいけど。。。
「箱根道の難所の一つで、急な坂が多く馬に乗った婦人がこの付近で落馬して死んでしまったこと」に由来しているそうです。「転し」と「殺し」をかけてるんですね。
さて、この先の割石坂から、旧東海道は江戸時代の石畳を再現した山道が多くなります。
昼なお暗い湿った石畳が急勾配で延々と、本当に延々と続くのです。
湯本あたりの下界にいる時間帯はあまりお腹がすいていなかったこともあり、昼食を食べそびれたままここまで来てしまったのでした。だからまとまった休憩時間も取らないまま、もう2時間近くも、なんとなく歩き続けていました。