【東海道五十三次ふらっと-flat-完歩】Vol.26 藤枝宿~島田宿 とと姉ちゃんの蓬莱橋と、とろろ汁ふたたび

『東海道五十三次ふらっと-flat-完歩』とは…
ふとしたきっかけで東海道を歩き、その魅力に目覚めた筆者が、旧東海道に沿って、五十三次、約500㎞をテキトーに歩き、永い歳月をかけてついに完歩してしまった感動巨編!(ただし全米は泣かない)。

時間がある時にぶらっと出かけて、気の向くままに歩くシステム。よって歩く順番もランダム。名所旧跡を語るより、街道沿いの人々や風俗(変な意味ではない・・・と思う)、B級スポットなどを、ときどき妄想も入れつつ紹介し、いつか現代の十返舎一九と呼ばれたい。

今回はゴールデンウィークの家族旅行の際に東海道ふらっと完歩をしたお話。ま、家族旅行とは言ったものの家族は一緒に歩いてくれなかったので、僕がひとりでちょっと抜け出して歩いていただけですが。

島田の「蓬莱橋」

東海道散歩も静岡県に入ると毎回遠出になるので、ここから先は何かの旅のついでに立ち寄ることも多くなります。なかでも青春18きっぷを使って関西や中国四国、九州方面に向かう途中に立ち寄ることが多かったのですが(長い列車旅の途中の、いい気分転換になるのです)、今回はとある年のGWに家族で静岡に行ったときの話です。

その家族旅行のメインはこれ!

静岡県島田市の大井川にかかる「蓬莱橋」は全長897.4メートル、通行幅2.4メートルで、「世界一の長さを誇る木造歩道橋」としてギネス社にも認定されている橋。

ちょうどその少し前に放映されていたNHKの朝ドラ「とと姉ちゃん」がこの橋を舞台に撮影されたことにより、この蓬莱橋が一躍注目を浴びていたのです。

そのうえ、5月のGWは「夏も近づく八十八夜」の時期。お茶畑の新緑も素晴らしい、ってことで「そうだ、静岡、行こう!」となったわけで、僕の東海道ふらっと完歩がメインでこの旅行があったわけではございません(たぶん)。

ちなみにこの蓬莱橋は旧東海道沿いではありませんが、1キロほど南に寄り道すれば行けますので、東海道ウォーカーの方にはぜひおすすめの場所です。

さて、そんな家族旅行の間を縫って周辺の旧東海道を歩くことになったので、順番も方向もバラバラ。今回は東(藤枝宿)から西(島田宿)ではなく、その反対向き、島田から藤枝に向かって歩くことになりました。

島田~藤枝間は7~8キロ、途中にびっくりするような見どころもなさそうなので、午前中の2時間もあれば寄り道しても余裕だな、ということで朝早くにいったん家族と離団し、ひとりで歩き始めます。

島田の旧東海道沿いを歩いていると歩道にこんなタイルが目立ちます。

この絵は日本3大奇祭と言われている「大井神社の帯まつり」を表現しているようです。なぬ?日本3大奇祭?奇祭って、もしかしてビッグな男性の象徴とかがお神輿に乗ってうら若き女性に担がれちゃたりするアレか?

と、おもわずそんな妄想しちゃったのですが、この「帯まつり」というのは、かつて島田に嫁入りする新婦が、大井神社に参拝の後、嫁入りの丸帯を持って町中全戸に挨拶回りをするという風習が基になったもの。それが転じて大井神社の御神輿の行列である大奴が、大祭の際に大太刀(おおたち)に帯を下げて回るようになったことから生まれたもので、聖なる象徴とかそーゆーのは関係ないらしいです。

ちなみに『奇祭』と呼ばれるのは、この帯を下げた大奴(この絵のおじさんですね)のしぐさが奇妙だからという理由のようでした。

瀬戸染飯伝承館と藤の花

比較的単調なこの区間ですが、途中、唯一の見どころかな、と思ったのは藤枝の市街地の少し西にある「千貫堤・瀬戸染飯伝承館」(せんがんづつみ・せとそめいいでんしょうかん)」。

といっても小さな資料館があって、ボランティアのおじさんが一人いるだけの場所でしたが。

瀬戸の染飯(そめいい)というのは、江戸時代にこの地を訪れる旅人が必ず食べた名物で、もち米を蒸したものをクチナシの実で黄色く染めてすりつぶして小判形などに薄く伸ばして、干し乾かしたご飯。

乾燥したクチナシの実は漢方薬として知られていて、消炎・解熱・鎮痛・利尿などの様々な薬効があり、旅人にとって足腰の疲れをとる食べ物として評判が広がり、東海道中を行きかう人々にはなくてはならない名物だったようです。

この黄色が特徴ですね。これは現在でも藤枝駅近くの総菜屋「喜久屋」で売っているそうです。

資料館前の庭にはちょっとだけ藤棚が。

そういえばここは「藤」枝市でしたね。藤枝の市の花もやはり「藤」でした。

藤枝駅に着いたところで今日の東海道ふらっと完歩はいったん終了。島田から藤枝まで電車で移動していた家族と合流して、バスで宇津ノ谷峠へと向かいます。

実はこのあと家族で丁子屋のとろろ汁を食べに行くことにしていたのですが、その前にみんなで少し宇津ノ谷峠を散策したのです。

中学生だった娘の当時のマイブームは「とろろ飯」(しぶっ)。おとーさんがこの前東海道を歩いた時に、すごく有名な店でとろろ食べたぞ、と何かの時に話したら、行きたい行きたい行きたい!今度絶対連れてって!という話になったわけです。

そんなわけで丸子宿の丁子屋に行ってみたのですが、GWのせいかめちゃくちゃ並んでいます。店に入り切れないお客さんの列のうしろに並んではみたものの、かなりの待ち時間ということで、結局丁子屋の隣りにある一松園というお店に入ってみました(静岡の友達曰く、ここも名店なのだそうです)。

中に入ってみると、店内の雰囲気もなかなかいい感じで、ここもご飯ととろろのシンプルでおいしい定食でした。

さらに安倍川まで行って、安倍川餅も食べる、という、さながら旧東海道グルメの旅っぽい、我が家の家族旅行だったのでした。

今回の結果:藤枝宿~島田宿 8.7kmを制覇!
東海道テキトー完歩まで:現在の合計 204.5㎞/495.5km

<2016年5月訪問> 記事の情報は訪問当時のものです。最近の情報は公式サイト等でご確認ください。

Vol.27へ続く
< 【東海道五十三次ふらっと-flat-完歩】Vol.25 府中宿~藤枝宿後編 宇津ノ谷峠、すべて君のせいだ!

新着

新着

注目の記事

沖縄県

観光

文化

うちなー滞在記vol.5「琉球時代へタイムスリップ~難攻不落の秘密と祭司ノロ・後編~」

沖縄本島の人たちが「宮古島」の方言を聞いたとき、「何を言っているのかわからない」という話をよく聞きます。

その島その地域で、独自の言葉や風習が残っている。「うちなーぐち(沖縄方言)」とひとくくりには出来ない、そんなところも沖縄の魅力のひとつではないでしょうか。

しかし、このような「多様」な言葉・文化・風習が残っていられるのは何故なんでしょうか?理由は様々ありそうですが、私はうちなーんちゅ(沖縄の人たち)からこんなことを感じることがあります。

・人は人、自分は自分

・自分が大事にしているものがあるように、他の人にも大事にしていることがある

多様な文化との交流によりつちかわれた、うちなーんちゅならではの感性かもしれません。

さて、今回は世界遺産「勝連城(かつれんじょう・かつれんぐすく)跡」の後編です。勝連の繁栄と石階段の秘密、そして沖縄においての「民間信仰」について、勝連城と共に見ていきたいと思います。

ピックアップ

ピックアップ