【東海道五十三次ふらっと-flat-完歩】Vol.35 豊川稲荷~吉田宿 豊川稲荷の恋みくじとかリンダのティッシュとか

『東海道五十三次ふらっと-flat-完歩』とは…
ふとしたきっかけで東海道を歩き、その魅力に目覚めた筆者が、旧東海道に沿って、五十三次、約500㎞をテキトーに歩き、永い歳月をかけてついに完歩してしまった感動巨編!(ただし全米は泣かない)。

時間がある時にぶらっと出かけて、気の向くままに歩くシステム。よって歩く順番もランダム。名所旧跡を語るより、街道沿いの人々や風俗(変な意味ではない・・・と思う)、B級スポットなどを、ときどき妄想も入れつつ紹介し、いつか現代の十返舎一九と呼ばれたい。

東海道ふらっと完歩も愛知県に入り、中盤を過ぎるとなかなか順番通りには進まなくなります。関西に行ったついでに時間を見つけて途中下車したりしているうちに歩く方向も順番もテキトーになっていますが、わかりやすくなるようにつなぎ合わせているのでご了承ください。そんな今回は豊川稲荷から江戸方向に向かって吉田(豊橋)宿まで歩いたお話です。

豊川稲荷で初の初詣

2016年の新春、ちょうど豊川稲荷の旧東海道を通ることに気づいたので、お正月に豊川稲荷にこんなに接近する機会もあまりないだろうと、初・初詣に行ってみることにしました。

名鉄の豊川稲荷駅とJR飯田線の豊川駅は同じ駅前ロータリーを囲むように隣接していて、豊川らしいキツネのモニュメントがありました。

駅前から豊川稲荷表参道が続いていて、稲荷までは5分も歩かない感じの距離ですが、表参道は別名「なつかし青春商店街」と名付けられていて、全国のがんばる商店街77選にも選ばれている活気ある通りなんだそうです。

これはよくあるレトロなホーロー看板シリーズですが、この一番上の「ウララ」ってのはみたことないなあ。

調べてみたところ、どうやらはるか昔のティッシュかなにかの宣伝説が有力なのですが、そんな昔にティッシュなんてあったのかなあ。もしかするとちり紙全盛時代に登場した最先端のティッシュだったのかもしれませんね。「ウララ」とかいうと、すぐ「♪ウララ ウララ ウラウラで~」と頭の中にメロディが流れ出す僕ですが、この空飛ぶ女子は、やはりリンダなんでしょうかね?

さて、豊川稲荷の門前に到着するといきなりいなり寿司屋さんがありました。さすがに「豊川いなり」の一等地にあるだけに、伝統のある有名店らしく、まだ朝早いというのにスゴい行列。

ホテルで朝食たっぷり食べたあとだったので、この時は食指を動かされなかったのですが、今から考えるとやっぱり本場のいなり寿司、食べればよかったと思います。

豊川稲荷は伏見稲荷大社、祐徳稲荷神社とともに日本3大稲荷と言われていて、正月3日だというのに、朝からけっこうな人。

最近はヒルズの外国人にも稲荷信仰深い方がいるようですねー

そして本殿から奥の院に行く途中に、「恋みくじ」なるものを発見!

そーか、これはお稲荷さんが「人生最後のモテ期なるものがはたして今年はやってくるのかどうか、占え」って言っておられるに違いない、と直感し、周りの白い目も気にせず気合を込めて200円を投入し、握りしめた恋みくじをエイや!と引き上げると・・・

「この愛はきっと結ばれます。高鳴る胸の思いの限り、愛の心を告白しましょう」と書かれてました。

そーなのか。どの愛なんだろう?ま、とりあえず、悪い内容ではなさそうなので、告白しまくればモテ期は来る、というふうに解釈しておくことにしました。ありがとう、お稲荷さん!

そして豊川稲荷の一番奥の方に進むと、霊狐塚がありました。

ここには1000体以上の狐の石像が安置されていて、なかなか壮観。一番豊川稲荷っぽい場所でしたが、その前の岩山になにやら人だかりがしています。

なんでもこの岩の隙間には、ここを以前訪れた人が入れた硬貨が入っていて、それを木の枝などでうまく取り出せるとお金持ちになると言われているのだそうで、みんな一所懸命穴をほじくってるんですね。うまく穴からお金を取り出せた人はそのお金をお守りにするのだそうで、一年後にお金が儲かったら、お礼としてその何倍かの硬貨をこの岩の隙間に隠しに来ればいいらしいのです。

ということは、最初は1円でもいつの間にか10円、100円、500円になって行くんだろうけど、それ以上になったらどうするんだろう?やがて1000円札とか1万円札とかになって、そのうち1億円くらい掘り出せるんじゃなかろうか!

手筒花火発祥の地、豊橋

この日はこのあとJR豊川駅から旧東海道最寄の小坂井駅まで行って、そこから吉田宿(豊橋)まで、旧東海道を歩きます。

小坂井駅から吉田宿まではまっすぐ行けば5キロ程度なので、あっという間に着いてしまい、途中にはあまり見どころもないのですが、瓜郷遺跡という弥生時代の遺跡がありました。

やがて旧東海道は、豊川の土手に沿う形になり、豊川にかかる「とよはし」を渡ると、いよいよかつての吉田の宿場町、現在の豊橋市の中心部に入ります。

「豊橋」の地名の由来は、東海道にかかるこの「とよはし」だったんですね。
 

歌川広重 東海道五十三次 吉田 豊川橋 │ 修理のため足場が組まれた吉田城。そこから眺める豊川橋(豊橋)には、多くの旅人や行者が行き交う様子が伺えます。

 
旧東海道の新居で行われる「遠州新居の手筒花火」の話は前回書きましたが、豊橋は手筒花火の発祥の地で、この「三州吉田の手筒花火」も非常に有名です。

マンホールに書いてあるってことは、ホンモノですよ。町の何よりの誇り、ってことでしょう。

豊橋の路面電車の「札木」駅のあたりが、かつての吉田宿の中心。

前回ここまで来ていたので、この日はここで終了となりますが、せっかくなのですぐ近くにある吉田城址まで足を伸ばしてみます。

世界遺産となった姫路城を築いた池田輝政が城主だったこともある吉田城。お城のすぐ脇を豊川が流れていて、遠くには奥三河の山々が見えましたが、あれだけ賑わっていた豊川稲荷とは違って、誰にも会うことはありませんでした。

<2016年1月訪問> 記事の情報は訪問当時のものです。最近の情報は公式サイト等でご確認ください。

Vol.36へ続く
< 【東海道五十三次ふらっと-flat-完歩】Vol.34 新居宿~吉田(豊橋)宿 プリクラさつきとか、いかのおすしとか

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*1:富澤慶秀・藤田洋監(2012). 『最新歌舞伎大辞典』. 柏書房.

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