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うちなー滞在記vol.5「琉球時代へタイムスリップ~難攻不落の秘密と祭司ノロ・後編~」

沖縄本島の人たちが「宮古島」の方言を聞いたとき、「何を言っているのかわからない」という話をよく聞きます。

その島その地域で、独自の言葉や風習が残っている。「うちなーぐち(沖縄方言)」とひとくくりには出来ない、そんなところも沖縄の魅力のひとつではないでしょうか。

しかし、このような「多様」な言葉・文化・風習が残っていられるのは何故なんでしょうか?理由は様々ありそうですが、私はうちなーんちゅ(沖縄の人たち)からこんなことを感じることがあります。

・人は人、自分は自分

・自分が大事にしているものがあるように、他の人にも大事にしていることがある

多様な文化との交流によりつちかわれた、うちなーんちゅならではの感性かもしれません。

さて、今回は世界遺産「勝連城(かつれんじょう・かつれんぐすく)跡」の後編です。勝連の繁栄と石階段の秘密、そして沖縄においての「民間信仰」について、勝連城と共に見ていきたいと思います。

阿麻和利(あまわり)が眺めた風景

さて、いよいよ勝連城にとっては最終防御ライン、「一の曲輪(いちのくるわ)」への階段です。

写真では少しわかりづらいかもしれませんが、上へ行くにつれ、階段の幅が少しづつ狭くなっています。侵入者の統率を乱し、一気に一の曲輪へ入ってこられないようにするためです。

さらに右の石垣には、侵入者に攻撃を加えられる小さな穴も備えられていたということです。

最上段、一の曲輪から。

最後の城主・阿麻和利(あまわり)は優れた才能を持ち、領民からの信望も厚かったと言われています。

前の城主が圧政を敷き、酒におぼれていたため、クーデターを起こし城主となりました。

さらに対外貿易を活発に行い、勝連に栄華をもたらしたとあれば、領民にとってはきっと「英雄」に映ったことでしょう。沖縄の古謡(こよう)「おもろさうし」にこう記されています。

勝連の 阿麻和利  十百歳(とひゃくさ) ちよわれ

肝高(きむたか)の 阿麻和利  勝連と 似せて

肝高と 似せて

(勝連の阿麻和利、千年も勝連を治めたまえ。気高き阿麻和利、あなたには勝連こそがふさわしい。気高き姿こそがふさわしい。)

勝連城を登り、阿麻和利やその時代の人たちがこの場所にいた事を考えると、とても不思議な感じがします。城の造り、城主の人物像、貿易が行われていた海、時間が経っていても「ここで」行われていたということを想像すると、本当にタイムスリップしたような気持ちでした。

歴史って、おもしろい(学生時代は苦手科目でしたが…)!

水平線中央付近に見えるのは「平安座島(へんざじま)」「宮城島」「伊計島」。そこへ繋がる「海中道路」は産業用に造られたものですが、いまでは観光スポットとしても有名です。

その名も「ヒヌカン」

少し視点を変えて勝連城を見ていきましょう。

沖縄は古来から「水不足」に悩まされてきたそうです。

水不足が起きやすい理由として、大きな川がないこと、水はけがよすぎる地層(琉球石灰岩)が挙げられます。(台風や大雨時には、水はけの良さは有利に働きます。)

それゆえ、「湧き水や井戸」をとても神聖な場所とする風習があります。

勝連城にもこのような「カー」が多くありました。「カー」とは、そのまま「湧き水や井戸」のことを指します。

ウタミシガー(お試しのカー)。旧暦元旦の初拝み(うがみ)の際、井戸にたまった水の量でその年の豊作・凶作を占いました。

生活に必要な水の確保だけでなく、子供の遊び場、住民の憩いの場ともなっていたようです。

そして、「お祈りの場」でもありました。

「琉球神道(りゅうきゅうしんとう)」というものが、琉球王国時代を中心に信仰されていました。自然崇拝・祖先崇拝を主としています。

琉球の古来からの思想は「個人的な幸福の祈願」というよりも「農作物の生産・社会全体の安定に対する祈願」で、「社会全体が平和・平穏になれば個人も幸福になれる」という考え方でした。

現代の沖縄でも、日常生活や、ものの考え方の中に浸透するという形(=民間信仰)で存在しています。

沖縄のお墓参りやエイサー(祖先の霊を送迎するための伝統的な踊り)は、この「祖先崇拝(そせんすうはい)」の考え方がベースとなっています。

ここは「トゥヌムトゥ(神人の腰掛け)」といわれる場所です。「神人(かみんちゅ)」は、琉球神道における祭司(さいし)の通称です。

沖縄には「男は海人(うみんちゅ)、女は神人(かみんちゅ)」という言葉があるらしく、神に仕えるのは女性なのだそうです。そのため、神人のことを「ノロ(祝女)」とも言うそうです。

民間の家族の問題に対して吉凶の判断などを行う「ユタ」とよばれる人たちも存在します。

カーが「水」に対する信仰だとすると、ここは「火」に対する信仰の場所です。その名も「火の神(ひぬかん)」です。

現在でも、かまど(コンロ)の火を神様としてお供え(旧暦各月の1日、15日)し、日常的に拝むご家庭が一般的です。ここでも「ヒヌカン」に仕えるのは女性である、という考えで、コンロの前や台所は女性の領域としているご家庭が多いと聞きます。

あらゆることに関する家庭の守護神で、家族の誕生・入学・結婚・離婚・死亡などの重要事項もすべて報告します。

沖縄へ旅行に来ていた時はこういったことまでは知りませんでした。

今となってはこういった信仰やユタの存在もごく自然なことだと思えますが、初めて知ったころ、「畏れ(おそれ)」のようなものを感じていたのを思い出します。

うちなーぐち講座②

沖縄本島北部にて。このように自然が多く残されている地域は「やんばる(山原)」と呼ばれています。

最後に、うちなーぐち(代表的な沖縄方言)を2つご紹介いたします。今回は、書き出しの部分でも触れました「宮古島の方言(みゃーくふつ)」もあわせてみていきましょう。では、、

【いらっしゃいませ】

これはうちなーぐちの中でもかなり有名な言葉ではないでしょうか?

空港やお店の入口でもよく見かける言葉です。「めんそーれ」と言います。

これが宮古方言になると『んみゃーち』となるそうです。「ん」で始まる言葉って中々ないですよね。

勝連城跡近くのバナナの木。

【元気です】

うちなーぐちでは、がんじゅー(頑丈・丈夫)と、そーいびん(~していますよ)が合わさって「がんじゅーそーいびん」と言います。

そしてこれを宮古方言でいうと、、

『パニパニ』

パニパニ!とても元気さが伝わってきますし、かわいらしい響きですね。

それではまた、次回にお会いしましょう。

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<小松美羽さん単独インタビュー> -Part2- アーティスト小松美羽に迫る。新風土記・第二弾の制作。そして創作の原点に在る”祈り”。

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<小松美羽さん単独インタビュー> -Part1- 小松美羽さんと巡る出雲の旅

世界を舞台に活躍する現代アーティスト小松美羽さんの単独インタビュー第一弾。
アナザースカイ(日テレ系)が2週連続で5/27(伊勢篇)、6/3(出雲篇)の放映が決定した小松さん。

番組では2014年に”新風土記”を奉納した出雲へ訪れ、「新風土記の第二弾」を制作し番組内で初公開されます。

常に未来へ進み続ける小松美羽さん。そんな彼女に、この度HYAKKEIの単独インタビューに応えて頂く事が出来ました。”光の柱”の出現を体験し作品に大きな影響を与えたという出雲大社との深い関わりや、出雲の地での新作アートの制作、制作の中心にある祈りの原点に迫ります。

インタビューPart1ではアナザースカイでの撮影風景を元に、”小松美羽さんと巡る出雲大社”をお届けします。出雲の地への親愛の念溢れる小松さん。自然体で語っていただきました。

写真:神庭 恵子 / インタビュー・文:菊地 伸(HYAKKEI)


今回のアナザースカイのハイライトは、2014年に新風土記を制作した際と同じ古民家で制作した、初公開となる絵画作品。この作品についてはインタビューPart2で詳しくお伝えします。

< 小松美羽プロフィール >

1984年長野県生まれ。女子美術大学短期大学部在学中に銅版画の制作を開始。近年ではアクリル画、立体作品などに制作領域を拡大し、力強い表現力で神獣をテーマとした作品を発表。

2015年、ロンドンで開催されたチェルシー・フラワーショーへ有田焼の作品を出品し、受賞作が大英博物館へ収蔵されるという快挙を成し遂げる。その後、台湾、香港、日本での個展において動員数、売上とも記録を塗り替える。

HTCとのコラボによるVR作品『INORI~祈祷~』が第76回ヴェネツィア国際映画祭VR部門、イギリスのレインダンス映画祭にノミネートされる。2020年、日本テレビ系「24時間テレビ」のチャリTシャツのデザインを担当など、国内外で大きな注目を集めている。

小松美羽 Miwa Komatsu | オフィシャルサイト

『アナザースカイ』
日本テレビ
5月27日(木) 伊勢編 24:59~25:39
6月3日(木) 出雲編 25:09~25:39

アナザースカイ 番組公式サイト
https://www.ntv.co.jp/anothersky2/

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