【東海道五十三次ふらっと-flat-完歩】Vol.49 水口宿~石部宿編 碁苦楽快館とか、飛び出し坊やコレクションとか

『東海道五十三次ふらっと-flat-完歩』とは…
ふとしたきっかけで東海道を歩き、その魅力に目覚めた筆者が、旧東海道に沿って、五十三次、約500㎞をテキトーに歩き、永い歳月をかけてついに完歩してしまった感動巨編!(ただし全米は泣かない)。

時間がある時にぶらっと出かけて、気の向くままに歩くシステム。よって歩く順番もランダム。名所旧跡を語るより、街道沿いの人々や風俗(変な意味ではない・・・と思う)、B級スポットなどを、ときどき妄想も入れつつ紹介し、いつか現代の十返舎一九と呼ばれたい。

鈴鹿峠を越えて滋賀県に入ると、ほかの土地とは明らかに違う部分があります。それは滋賀県東近江発祥の「飛び出し坊や」。この旧東海道を歩いているだけでもめちゃくちゃたくさんの飛び出し坊やがいたので、今回はそのコレクションを紹介しましょう。

碁苦楽快館の忍ぶマダム!

この日のスタートは旧東海道と近江鉄道が交差する水口石橋駅。

前回、鈴鹿峠を越えてこの場所まで来てから1年、今日はその続きからスタートです。(ずっと東海道を歩いてなかったわけじゃなくて、そのほかの区間を歩いていたのです)

今日は西に向かって歩くのですが、東の方を振り返ると、

「春はあけぼの。やうやう白くなりゆく山際、少し明かりて」

的な空?ちょっと違うな・・・春じゃないし山際もないし。

途中にちょっと目立つ建物があったので足を止めてみます。

碁盤の中にハートマーク??「忍碁 碁苦楽快館」??

かなりストイックな囲碁教室なのか?と思って眺めていると、落ち着いた和装姿の妙齢の女性が出てきて

「忍ぶの。冬の嵐に晒されても、あの人にずっと責められ続けても。忍んで、忍んで、忍んだ先に、この世のものとは思えないほどの幸せが待っているの」

と演歌のような勧誘をされたら、旧東海道はさっさと放棄して、忍碁の極楽快感の世界へと道を踏み外してもよかったのですが、朝早かったのでそんな勧誘もあらず、残念!

でも旧東海道を歩く人はみんなここで「?」と思うらしく、「碁苦楽快館」でググると旧東海道散歩人のブログばっかり出てきます。

そして近江の国といえば飛び出し坊やですよね。

この日もたくさんの飛び出し坊やを見たので、その一部を「飛び出し坊やコレクション」として紹介します。

近江の飛び出し坊やコレクション~旧東海道編

まず今回歩いたコースはいわゆる甲賀地方なので、甲賀流忍者バージョンが結構たくさんありました

そして旧東海道ということで飛脚っぽいのもあります。

これは自分で叫びながら飛び出してくる「オラオラどけどけ坊や」。

反対にこれは道路を渡るだけで悲壮感の漂う「おびえ少女」。

ところでこれ、パンツ見えてるっていう設定なんですかね?

手作り感いっぱいの作品もありますが、いくら手作りでもこれは著作権的にマズくないか?いや、単なる普通のネズミなのかな?

そしてこれは南草津駅前のメガネ店。近江では飛び出し坊やを店頭の販促用看板につかっているお店も結構あるのです。

さてそんなこんなで歩いていると東海道十三渡しのひとつであった横田の渡し跡を過ぎて野洲川を渡ります。

JRの三雲駅前を過ぎて、しばらく行くとやがて見えてくるのが大沙川隧道 (おおすながわずいどう)。

トンネルの上にある大きな杉は「弘法杉」と言われています。

トンネルの上に登ってみると、こんな感じ。なんと旧東海道の上を大沙川という川が流れているのです。ただ、ふだんはほとんど水は流れていないようです。

旧東海道の途中から形のよい、美しい山が見えています。

近江富士とか言うのかな、と思っていたら、本当にそう呼ばれているみたいで三上山、通称近江富士という山でした。

歌川広重 東海道五十三次 石部 目川ノ里 │ 賑わいを見せているのは、お伊勢参りの際に人々が立ち寄ったその名も「伊勢屋」。遠くに見える山並みは広重の心も掴んだ様で、その霞がかった描写は見事です。

甲西駅手前あたりの旧街道。

造り酒屋の白壁がいいですね。

水口から10キロちょっとで次の宿場町、石部に到着しました。

<2016年12月訪問> 最新の情報は公式サイト等でご確認ください。

Vol.50へ続く
< 【東海道五十三次ふらっと-flat-完歩】Vol.48 鈴鹿峠~水口編 鈴鹿峠のイケメン好き女鬼とか

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*1:富澤慶秀・藤田洋監(2012). 『最新歌舞伎大辞典』. 柏書房.

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