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うちなー滞在記vol.9「ぬちまーすの秘密を探る~海中道路とサトウキビ畑・後編~」

沖縄には多くの人を魅了する何かがあります。

美しい海、温暖な気候、独自の歴史や文化や風習、言葉、建物、三線の音色や音楽、食べ物、うちなーんちゅ(沖縄の人)の人柄、、といったひとつひとつにではなく、それらが混ざりあった「沖縄」という存在に人は惹かれるのでしょう。

しかし一方で、沖縄には「ない」ものもあります。私は東北出身ですが、うちなーんちゅに羨ましがられることもあります。

初めてそれを経験したのが「土手」でした。

理解できずにいると、「沖縄には大きな河川がない」と説明をしてくれました。その堤防としての土手がとても珍しく、憧れの風景だったそうです。

大きな山も雪景色も沖縄では見ることができません。凍えるような寒さも沖縄では体験できないでしょう。お米や食べ物も東北の方が美味しいと言って頂けることがあります。

故郷を離れて故郷を知りました。住む時間が長くなると、その土地の良さが分からなくなってしまうことってありますよね。

旅が好きな人は、いわば “自分が住んでいる場所のアイデンティティ” を求めて旅をしているのかも知れません。

さて今回は、いよいよ「ぬちまーすの秘密」に迫りたいと思います。ぬちまーす工場の近くの思いがけない絶景やパワースポットも併せてご紹介いたします。

世界一の塩は何が違う?

ところで「ぬちまーす」とは何でしょうか。沖縄の方言で「命」のことを「ぬち」、「塩」のことを「まーす」と言います。

「命の塩」。確かに塩は身体にとって無くてはならないものですが、他の塩とは一体なにが違うのでしょうか?

ぬちまーす製塩工場。ショップやカフェも併設されています。

秘密はその作り方にありました。一般的な製塩は、海水を窯(かま)で煮る、海水を天日干しにする、海水に電気を通す、などの方法で行われています。

しかしぬちまーすは、独自の「常温瞬間空中結晶製塩法」という作り方をしています。なかなか長い名称ですが、この技術は、株式会社ぬちまーすの高安正勝 社長が発明されたものです。

工場裏手からの木々と海。あいにくの曇り空でも自然の雄大さが伝わってきました。

この技術によって、他の製塩方法では失われてしまう海水中の「ミネラル」を丸ごと残すことができるというのです。

特殊機械によって細かい霧状に出された海水に温風を当てることで「水分のみ」蒸発させ、塩分やミネラルを丸ごと結晶化させます。

製塩室。雪景色のようですが、温風を使用するので中は暑いのだそう。

原材料である海水は、宮城島の中でも農業・工業・生活廃水の影響がほとんどなく、黒潮の影響により常に新しいきれいな海水が流れ込んでくる場所から取水しています。

全ての生命の源である海。海水中に含まれる塩分やミネラル成分は人間の血液・胎児が育つ羊水とほぼ同じバランスなのだそうです。

原材料である海水を取水している太平洋。

塩分の補給だけではなく、身体にとって必要なミネラル分の補給、そして余分な塩分を排出するミネラル(カリウム)が多く含まれている事により、身体に塩分が溜まらないという「塩」の概念を変えたとも言えるまさに「命の塩」なのでした。

ご興味のあります方はネット販売も行っているそうですので、ぜひご賞味なさってみてください。

ぬちまーすの秘密は屋外にも

さて、ここは工場の周辺にも見所があるということなので、行ってみることにしました。

パイナップルのように見えますが、「タコノキ」という樹木で、果実はパイナップルのような甘さはないそうです。

ゆでて食用としたり、食用油の原料とするそうです。

ここは「龍神風道(りゅうじんふうどう)」と言われる場所。

とてもエネルギーの通りの良いパワースポットなのだそうです。

実際に立ってみると、暖かく、心地よい風がやさしく入ってくるのがわかります。

これまでパワースポットと呼ばれる場所へ行ったことはなかったのですが、エネルギーのような温かいものを感じ、自分でも驚いてしまいました。

前編でご紹介した、神様が住む島「浜比嘉島(はまひがじま)」、その先の沖縄の聖なる島と言われる「久高島(くだかじま)」が、この龍神風道と一直線に並んでいるということです。

少し場所を移してここは「三天御座(みてぃんうざ)」という場所です。

大きなガジュマルやソテツの根に守られた小さな鍾乳洞です。沖縄には「天・地・海」の三つの神様がいて、その三つの神様が集まる場所なのだそうです。

このようなパワースポットが、ぬちまーす製塩工場をこの場所に建てると決めた後に発見されているというのですから驚きです。

キダチベンケイソウ。繁殖の仕方から「子宝草」とも呼ばれます。12月には鈴の形をした真っ赤な花を咲かせます。

敷地内が庭園のようになっており、「ぬちうなー」という名前がついています。「うなー(御庭)」とは、もともとは首里城正殿前の中庭広場のことです。

そして生い茂る木々を抜けると、思いがけない絶景と出会うことができました。

果報バンタ(かふうばんた)

果報は「幸せ」、バンタは「岬」。入り江の浜辺では、満月の夜にウミガメが産卵に訪れるそうです。

ぬちまーす製塩工場ではスタッフの方が製塩過程を丁寧に説明してくださいます。大人となってからこのような体験はなかなかできません。小学生の頃のわくわくする程の好奇心が蘇ってくるようでした。

それにしても、「塩」がこんなにも奥深いものだとは思いませんでした。

しかも美しい海で心が洗われ、エネルギーを受け取れる、素晴らしい場所でした。

やんばる産コーヒーとの出会い

「ぬちまーす観光製塩ファクトリー」にはカフェも併設されています。

最後に、そこで頂いたスイーツとコーヒーをご紹介したいと思います。

一見普通のお饅頭とアイスコーヒーですが、「ぬちまーす饅頭(まんじゅう)」には「餡(あん)」ではなく「生クリーム」が入っており、ぬちまーすのやさしい塩味が甘さを引き立たせます。

アイスコーヒーには先日「世界自然遺産」にも登録が決定した「やんばる(沖縄本島北部の自然が多く残されている地域)」で栽培されているコーヒー豆を使用しています。

やんばるの自然。恐竜が生息していた時代からあるといわれるシダ植物「ヘゴ」。

やんばるには、日本で唯一のコーヒー農園があり、そのコーヒー豆はとても希少です。

透明感のある、すっきりとした苦みがある、とても美味しいアイスコーヒーでした。

それではまた、次回にお会いしましょう。

やんばるの山々。

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