【東海道五十三次ふらっと-flat-完歩】Vol.21 蒲原宿〜由比宿 桜えび桜エビさくらえび!

『東海道五十三次ふらっと-flat-完歩』とは…
ふとしたきっかけで東海道を歩き、その魅力に目覚めた筆者が、旧東海道に沿って、五十三次、約500㎞をテキトーに歩き、永い歳月をかけてついに完歩してしまった感動巨編!(ただし全米は泣かない)。

時間がある時にぶらっと出かけて、気の向くままに歩くシステム。よって歩く順番もランダム。名所旧跡を語るより、街道沿いの人々や風俗(変な意味ではない・・・と思う)、B級スポットなどを、ときどき妄想も入れつつ紹介し、いつか現代の十返舎一九と呼ばれたい。

由比と言ったら桜えび。あまりグルメではない僕も、静岡の友達から桜えびのおすすめの店を聞いて楽しみにしていたのですが・・・

由比と言えば桜えび

由比と言えば、桜えび。
桜えびと言えば、由比。

ということで、地元の知人に聞いていた、桜えびの名店を目指して、旧東海道をひた進みます。
桜えびといえば春、というイメージがあったのですが、10月~12月も秋漁が行われていて旬の時期だということです。

Ⓒ 財団法人静岡コンベンションビューロー

春に比べると小ぶりですが、やわらかくてなかなか、ということ。
いいじゃないか、秋の桜えび。そんなこと考えてたら余計に腹減ったぞ。

由比は蒲原ほど古い建物が立ち並んでいるわけではありませんが、それでも旧街道沿いにはなかなかいい感じの雰囲気が漂っています。

そしてこれが由比の本陣跡。

今は昔の敷地跡が公園になっていて、観光案内所と休憩スペースがあります。

その奥にある東海道広重美術館。

お腹もすいていたし、あまり時間もなかったので中には入りませんでしたが、名前の通り、安藤広重の作品を中心に浮世絵に関する展示がされているようです。

そして何より桜えび!
おすすめと言われた「さくら屋」というお店はGoogle Mapだとちょうどこの界隈を指しているのですが、なかなか見当たりません。

おかしいぞ、と思ってよく調べてみると、どうやら旧道沿いではなく、東海道本線の線路の向こう側、車がビュンビュン走っている国道1号のバイパス沿いにあるようでした。直線距離にすれば50メートルちょっと、線路を越えた目と鼻の先にあるのですが、そこまで行くには線路を渡るために2キロも迂回しなければならなかったのです。なんてこった!

空腹とここまで歩き続けてきた疲労に負けて、旧道沿いの「東海道由比宿おもしろ宿場館」なんていう名前の、いかにも観光客向けの併設レストランにふらっと入ってしまいました。

展望レストラン、とうたっているだけあって、2階のテーブルからは駿河湾と本来入るべきだったさくら屋が目の前に一望できます。なんてこった。

しかししかししかし、なかなかどうして、ここもおいしかったんですよ。
釜揚げ桜えびとシラス丼、生桜えびのセット。

お腹も減っていたことだし、大変おいしゅういただきました。
ただ、さくら屋に比べると若干観光地料金だったかもしれませんが、まあ良しとしましょう。

薩埵峠(さったとうげ)へ

すっかり食べることばかり気になっていましたが、由比といえばこの人を忘れてはなりません。
由比正雪の生家、正雪紺屋。

ところで由比正雪、知ってますか?
ほら、高校の時の日本史で「由比正雪の乱」って出てきましたでしょ?
なーんてえらそうなこといいましたが、正直どんな内容の事件だったか全く覚えていなかったので、ググってみました。

優秀な軍学者であった由比正雪が、幕府から厳しい扱いを受けていた浪人たちの救済を求めて起した反乱だったのですが、内部で裏切り者が出て未然に告発され、志叶わずとらえられてしまったようです。

そんな正雪の生家が営んでいた紺屋を再現して、今もこうして営業しているとのことでした。

さて、いつの間にか旧東海道には、由比桜えび通りという名前になって、いよいよ今日のハイライト、薩埵峠(さったとうげ)がだんだんと近づいてきました。

JR由比駅からみる、薩埵峠方面の山々。

あのとんがり山の中腹を峠道で越えていく難所です。

この駅で下車して薩埵峠を歩く人が多いのでしょうか、峠への道を示す看板がところどころに出てきます。

由比駅を過ぎるとゆるやかな上りになって東海道名主の館、小池邸が現れます。

このあたりは細い路地の両側に古い町並みが残っていて、なかなか風情がある一画です。

途中にあっためちゃくちゃ急な階段の八坂神社。

そしてめっちゃ安いみかん。

さすが静岡!

再び旧街道っぽくなってきた町並みを過ぎると、いよいよ本格的な上りとなり、峠道へと入ります。

<2014年12月27日訪問>記事の情報は訪問当時のものです。最近の情報は公式サイト等でご確認ください。

Vol.22へ続く
< 【東海道五十三次ふらっと-flat-完歩】Vol.20 吉原宿〜蒲原宿東海道屈指の町並み蒲原のイルカすまし

新着

新着

注目の記事

広島県

芸術

【世界で最も美しい美術館】下瀬美術館がユネスコ最優秀賞のベルサイユ賞を受賞!

ユネスコ本部で創設された建築賞<ベルサイユ賞>の「世界で最も美しい美術館」7施設にノミネートされていた下瀬美術館が、12月2日にユネスコ本部での表彰式で最優秀賞のベルサイユ賞を受賞しました。

<ベルサイユ賞授賞式のオフィシャル映像>

ユネスコで創設された建築賞である<ベルサイユ賞(世界ベルサイユ賞機構)>の表彰式が12月2日にパリのユネスコ本部にて開かれ、10周年を迎える2024年に新たに設けられた「Museums」(美術館・博物館)のカテゴリーにおいて、下瀬美術館(広島県大竹市)が最優秀賞であるベルサイユ賞を受賞しました。

〇ベルサイユ賞ホームページ
https://www.prix-versailles.com/2024

--

買い物

食べ物

【木村屋】クリスマス期間限定で「スノーマン」が登場 伝統の酒種生地と和の素材を使用した「和のシュトーレン」は今年も販売

12月はクリスマスを彩るパンが多数登場。笑顔がかわいいスノーマンは、カスタークリームとチョコクリームの2種類の味が楽しめるスイーツパンです。子供から大人まで楽しめる味わいで心温まる美味しさをお楽しみいただけます。

そして、昨年もご好評をいただいている人気商品「和のシュトーレン」が今年も登場します。柿、いちじく、こしあんなど和を感じさせる素材にこだわった、木村屋でしか味わえない特別なシュトーレンです。この機会にぜひ、木村屋のクリスマス限定パンをお試しください。

広島県

芸術

【ジパング 平成を駆け抜けた現代アーティストたち】村上隆 x 三潴末雄氏対談「芸術起業論を超えて」/三潴氏インタビュー「日本人による日本文化の価値の再発見を」

ひろしま美術館で開催中の「ジパング 平成を駆け抜けた現代アーティストたち」(開催期間:2024年11月2日〜12月22日)。草間彌生や村上隆、会田誠、奈良美智、塩田千春、加藤泉、山口晃、小松美羽、など日本現代アート界をリードする錚々たるアーティストの作品が集結した。来場者はすでに1万人を突破するなど、注目を集めている。

HYAKKEIはリーガロイヤルホテルで行われた現代アーティスト村上隆と本展示企画者である三潴末雄(みづますえお)氏との対談を取材、そして三潴氏の単独インタビューを敢行した。

そこで語られたのは、ジパング展にかける想い、日本のアート界のみならず日本人自身の価値を再発見する為の未来への提言であった。

京都府

飲食店

イベント

【京都 アートグレイス ウエディングヒルズ】夜空に浮かぶ満月をイメージした「うさぎのお月見パフェ」付き『はんなりお月見アフタヌーンティー』

結婚式場「京都 アートグレイス ウエディングヒルズ」では、2024年9月の特定日に、十五夜のお月見をイメージしたスイーツとセイボリーを楽しむ『はんなりお月見アフタヌーンティー』を販売します。

ピックアップ

ピックアップ