【東海道五十三次ふらっと-flat-完歩】Vol17.三島宿~沼津宿 三島は富士湧水のまちだった!

『東海道五十三次ふらっと-flat-完歩』とは…
ふとしたきっかけで東海道を歩き、その魅力に目覚めた筆者が、旧東海道に沿って、五十三次、約500㎞をテキトーに歩き、永い歳月をかけてついに完歩してしまった感動巨編!(ただし全米は泣かない)。
時間がある時にぶらっと出かけて、気の向くままに歩くシステム。よって歩く順番もランダム。名所旧跡を語るより、街道沿いの人々や風俗(変な意味ではない・・・と思う)、B級スポットなどを、ときどき妄想も入れつつ紹介し、いつか現代の十返舎一九と呼ばれたい。
三島から沼津までは5.9キロと、東海道の宿場間では短い方だけど、箱根を越えてきた身としては結構キツい。でも、うなぎとか変な居酒屋とかに励まされて何とか頑張った!

ごめんね、庶民!

三島市内に入るとデデンと現れるのが三嶋大社。

三嶋大社は、古くから伊豆国一の宮として栄え、源頼朝が源氏再興を祈願したことでも知られている由緒ある社ですが、11月の3連休ということもあって七五三の子供たちで大賑わい。
親戚縁者勢ぞろいで正装して写真に納まっている姿を結構見かけましたが、静岡県人の七五三はみんなそんな感じなんでしょうか?

そして三嶋大社に次いで三島で話題なのが「ごめんね青春!」

・・・覚えてますか?
ちょうど当時放送中で、うちの娘がよく見ていた番組なので僕はたまたま知ってましたが、そういえばこのドラマは三島がロケ地だった!

さて、三島のグルメといえばこのドラマでもよく出てきた「みしまコロッケ」が有名。
僕もそこらへんの庶民だったら、ぜひ食べてみたかったんですが、悲しいかな、高貴なる旅人ゆえに、宮内庁からもう一つの三島名物、うなぎを食べよ、とお達しが出ていたのです。

三島では富士山の湧き水でうなぎを泳がせることで、うなぎの生臭さや泥臭さが消え、日本一美味しいとも言われています。ごめんね、庶民!

富士山の湧き水と言えば、JR三島駅のすぐそばにある「楽寿園」。

ここは明治維新で活躍した小松宮彰仁親王の別邸として造営されたもので、富士山の雪解け水が湧き出す園内の景観と、自然林からなる庭園が、国の天然記念物および名勝に指定されています。

日本で最も短い一級河川、柿田川

この日は三島のホテルを予約していたので、いったん荷物を置いて小休止します。
かなり足はつらいですが、まだ15時前。
このまま休んでしまうのもなんだかもったいないので、もう少し頑張ることにして沼津までチャレンジしてみました。

三島の町からも、ときどき富士山が突然どーん、と姿を現します。
これは伊豆箱根鉄道の三島広小路駅から。

沼津に向かう旧東海道からちょっと横道にそれると、柿田川水源地という名勝があるようなので、寄り道してみます。
なんでもここも富士の地下水が大量に湧き出ていて、こんな都市部にして川の源流が見られるとのこと。

写真だとわかりにくいのですが、このまあるい水たまりが水源地で、ぼこぼこと水が地下から湧き出ているのが肉眼でもはっきり見えたのでした。

この川にはこうした穴ぼこが何か所もあり、水源地にしていきなりこんな大河のような雰囲気を醸し出しながら柿田川は流れはじめます。

この先の狩野川に合流するまでのわずか1.2キロという短い川ですが、その水量はもちろんのこと、水の清らかさと水草の美しさはなかなか圧巻でした。

歌川広重 東海道五十三次 三島 朝霧│三島宿は箱根上り下りどちらの旅客にも重要な拠点でした。早朝、箱根越えを目指す旅人の姿と、朝霧に煙る三島の街並みと人々。ぼかしを駆使した見事な遠近法で立体的に描かれています。

柿田川から旧東海道へ戻る途中、こんな看板を見つけました。

営業時間がAM11:03~翌5:08とか、いったいどんな理由があるのか三島人!

きっとそこには三島人にしかわからない汗と涙の物語とかがあるに違いない。
よもやこのB級っぽさで客を惹きたいだけとかじゃないよな?

とかなんとか言いながら沼津市に入る頃には富士山もすっかり夕景色です。

もうすっかり日が暮れた沼津市街に入り、ようやく沼津駅に到着。

昨日の箱根越えで全身鋼鉄状態なのに頑張って30キロも歩いたので、あの有森裕子さん以上に自分で自分を褒めてみたのですが、どうも褒めるだけでは疲れは戻ってくれないようなので、沼津駅前で90分もマッサージを受けちゃったよ。

明日は歩けるだろうか…

今回の結果:箱根宿~沼津宿 20.7kmを制覇!
実際の歩行距離は寄り道入れて30.04キロを7時間11分
東海道ふらっと完歩まで:現在の合計 118.8㎞/495.5km

<2014年11月22日訪問> 記事の情報は訪問当時のものです。最近の情報は公式サイト等でご確認ください。

Vol 18.へ続く
< 【東海道五十三次ふらっと-flat-完歩】Vol16.箱根宿~三島宿 富士山と一緒に伊豆の国へ

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*1:富澤慶秀・藤田洋監(2012). 『最新歌舞伎大辞典』. 柏書房.

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